芯までふっくら、ピザ窯煉瓦壁の遠赤効果
橙色に近い、わりと短めの波長を持つ近赤外線では肉に吸収されてしまい、芯の芯までふっくら焼き上げることができません。そんな難題を解決できる、ハイパワーの赤外線こそ、波長の長い遠赤外線です。にぶく色づく重い煉瓦や石積みの壁。人間の目にはまったく見えませんが、この壁が大量の遠赤外線を発して食材の奥深くまで入り込み、じっくりふっくら焼き上げてくれます。あの、どしりと重みのある、熱せられた煉瓦や石の壁はたんなる熱をさえぎるための仕切りではなかったんですね! この遠赤外線、もちろん炭火と同じく水分を出さないので、表面にダメージをまったく与えず、熱だけを食材の奥深くにまでじっくり伝えてくれるんです。 燃えるにしたがい役目を変えてゆくピザ窯の薪
放り込まれた薪は火がつけば大きな黄色い炎をあげていきおいよく燃え、強い火力を発揮します。やがていきおいがおさまると、炎はすっかり消えてしまい、赤くおこった炭火となってじわじわ近赤外線を放ち始めます。最後にすっかり燃え尽きた後に残るのはごくわずかなまっ白な灰だけ。この灰は火床となって次々に放り込まれる薪の火力を外に逃がさず、保温してくれます。 四方八方から包み込む、ピザ窯の熱窯の中で皿は動かしても、食材に直接手を触れることはありません。なにしろぶ厚い煉瓦の壁で反射された熱は、四方八方から食材めがけて飛んできます。いそがしくひっくり返したり、がさがさ引っかきまわさなくても、置いておくだけで、しっかり前後左右上面と、あらゆるところから火が入ります。だから食材を痛めることなくおいしく焼き上げることが可能なんです。続き
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