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ブルターニュを行くその2


4.カンペールからブレスト

3月29日のポール ルイの朝は真っ暗。7時にセットしたはずなのにとテレビをつけてみても時間に間違いはないし。というところで昨夜レセプションでサマータイムの始まることを聞き、時計を1時間進めたことを思い出した。ここはフランスでも西の端だし、これでさらに日が暮れるのが遅くなり、たぶん今夜から夜の八時でもまだ明るいことになるだろう。

その日西に向って走り出すといきなり自転車の大集団に出会った。無論おそろいのジャージーに身を固め、けっこうなスピードで足をそろえ走って行く。一かたまりやり過ごすと又次がやってくる。そう、その日は日曜日だったのでクラブでそろって走っているようだった。日本でも同じだが、違うのはその数。次ぎから次ぎと本当に多くの人が楽しんでいた。私も自転車を持ってくれば良かったと悔やんでもしかたがないが足の疼きを押さえるのに苦労した。

50分も走っただろうか、あっというまにカンペールに着いてしまった。この辺りの国道は無料であるにも関わらず高速道路そのもので都市間の移動はきわめてスムーズ、1時間当たり100キロ見ているとおつりが出てしまう。町に入っても休日とあって店はほとんど閉まっているし、残念なことに2つの尖塔を持つ大聖堂も修理中だった。

静かな街をふらついた後、ブレストをへて適当な街で昼にすることにした。ブレストといえば一般の人にとってはお菓子のイメージかもしれないが、私にとっては特別な思い入れがある。自転車好きにとってのブレストはパリ、ブレストという自転車レースに他ならない。今世紀の初めには往復500キロ以上もの距離をノンストップで往復したという凄まじいものだったそうな。

5.モルレー

ちょうど昼に通りかかった町はモルレー。港に降りて行くと目に飛び込んでくるのはでっかい石造りの鉄橋。リアス式海岸の両側に山の迫った河口の町。頭の上には鉄橋。民家は上に行くに従って段々迫り出してくる。とにかく空の狭い町はいままでだだっ広い景色を見慣れた目にはやけに新鮮に見える。クレープ屋さんがたくさんあり、シードルを飲みながら食事をしていた。

車を駐めてチケットを買おうと販売機のところへ行くと、通りかかった男の人が、今日は日曜日だから料金は要らないといった意味のことを教えてくれた。町並みは石畳の坂道が複雑に入り組み上を見れば橋、下を見れば港、と見ていてあきなかった。









6.ディナンからサン マロ

st maloその日の宿はサン マロ、城壁と木組みの美しい家の建ち並ぶディナンを抜け、海辺に近付けば、そこだけすっぽりと異次元空間にはまり込んだかのような、17世紀そのままの城郭都市が拡がっていた。実はこの町は第二次大戦に於てすっかりナチスドイツの爆撃により破壊されたにもかかわらず、さすが石造り、完全に復元され昔のままになっていた。おそらく、そこいらの石を抜き取るとその時の石番号が裏に書き込まれているはずだ。

早く着いたのでゆっくり城内の博物館を見て回ったあと、すぐに宿を探し、車も駐車、荷物も納めやるべきことを済ますことにした。

先ず、コインランドリー探し。リスト作りとみやげ物あさり。この町はまことに具合がよい。感じの良い町というわけではない。もちろん素敵な町だが、観光地に有りがちな客慣れ(スレ?)しているし、いかにもなみやげ物ばかり売っている。逆にいえば一寸したものを仕入れるのに都合がよい上、何処に行っても英語が通じる。ホテルはもちろん、レストラン、商店からそこいらを歩く観光客まで。

それもその筈、ここはイギリスのプリマスとフェリーで結ばれ、たくさんのイギリス人観光客がやって来るのだそうな。翌日のモンサンミシェルを前にいっきに仕事を片付けることが出来た。


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