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レンタカーでロワ−ルの城めぐりその1



ロアール川流域、特にオルレアンからアンジェにかけてはお城の宝庫。16、7世紀に建てられたルネサンス風やゴシック風の凝った装飾に彩られた、城館(シャトウ)が多く見られる。ここを川に沿って巡るのが近頃の流行のようだ。
5.ボージャンシー

滅多に車と出会わぬ道を100キロ以上で快調に飛ばせばあっさりオルレアン。地方都市とはいえ商工業の盛んな土地、街の中心のプラースには有名なジャンヌダルクの像がそびえ、目抜通りはにぎわっている。にぎわってはいるがどうも落ち着かない。
地図を見ると少し西の方にボージャンシーという町が有り、そこには文化財の有ることを示す星印が付いていた。その夜の宿はそこで探すことに決めた。

水量豊かなロアール川にかかる、歴史を感じさせる立派な橋を渡ると、そびえ立つ聖堂と古い城が見えた。横腹を擦りそうな狭い道を通って行くとインフォメーションの標識。早速それに従い趣のある時計台の下をくぐり抜け、ホテルリストをゲットした。

小さな町に似合わずホテルの数は多いが、皆規模が小さい。1軒、先程目にしたアビーを改装した3ツ星のシャトーホテルに心を動かされるも、それ以上に魅力的な”英語ドイツ語話せます”の表示を見つけてしまった。車をインフォメーションの前に駐車したまま徒歩でそのホテルに行き話をまとめてきた。

車に戻りエンジンを掛けようとしたが掛からない。慣れない車だし、説明書を見てもフランス語。途方にくれたが先程のホテルのキャッチフレーズを思いだし、ホテルにとって帰り、状況を話しルノーのサーヴィスを呼んでもらった。

10分と経たずサーヴィスはやってきた。やるじゃないかルノー、と感心しつつ説明を聞けばキーレスエントリーの盗難防止システムだそうな。恥ずかしい話、家の車にはそんなシステムの付いた高級車はない、無知というのは恐ろしい。丁寧に礼を述べたが、それにしても本当にあのホテルにしてよかったと胸をなで下ろした。

翌朝、ゆったり朝食をとりながらしばしそのホテルの主人と話をした。この方は本当に知識の豊富な人で、この町の歴史やロアール周辺の情報を沢山仕入れることが出来た。ところであなた方は何処に住んでいるのだと聞かれたので、日本だと答えると驚いた顔をする。
日本人ということは分かっていたが、フランスの何処かに住んでいると思っていたらしい。というのも、日本人は近くのブロアやツールではバスでたくさん見掛けるが、このあたりではとんと見掛けたことがないそうだ。

びっくりするほど安いそのホテルは、内部はきれいに手入れされ、清潔でまことに居心地がよかった。その後、散策した街の人々も気さくに声を掛けてくれ、歩道に煉瓦を敷いていた職人さんにカメラを向けるとポーズをとってくれたり、心からこの町が好きになってしまった。

6.シャンボール城

シャンボール城の朝は遅い、開門は10時。しかしその時間になってもほとんど駐車場に車はいない。朝靄に包まれた女性的な優雅なその姿は王様よりもお姫様にふさわしい。広い広い敷地の中を流れる川のほとりを歩いて行くうち次第に日の光を浴びくっきりと輪郭を表してきた。







7.シャヴァルニー城

シャンボール城から西へ約15分、シャヴァルニー城に着いた。この城は小じんまりとした、貴族の館ぜんとしたものだが、中に入るとちゃんと日本語のパンフレット等も揃っていた。観光バスもどんどん入ってくるいわゆる観光コースらしかった。庭には大きなバルーンがスタンバイしており、これで上空から城全形を鳥瞰出来るという趣向だった。

切符売り場のお嬢さんは、日本語でありがとうと言うし、さまざまな国の観光客の団体が立ち寄って来ていた。

規模や内部の造りからいってもそれほどの人気の沸くような城ではないのだが、観光業というのはおかしなもので、文化財そのものの値打ちよりも効率を重視するものらしい。逆に言えば有名だが立地条件の悪いところがねらい目で、時間さえずらせばゆっくり見てまわれる。立地条件の良い所はやはり夜討ち朝駆けするしかないようだ。


5.ブロワに続くgo to map

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