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グルマン・ピュスのレストランつれづれ


「サロン・デュ・ショコラ(チョコレート見本市)」

それは、9月30日の午後だった。ポカポカの秋晴れにウッキウキしながら、バスに乗ってエッフェル塔の近くの見本市会場に向かった。
ランラララン、ララランラン。トララララー、テレレレレー。ヤホー、ヤホ!一年で一番楽しみにしているサロン、「サロン・デュ・ショコラ(チョコレート見本市)」の、今日が初日!

と、張り切って会場に近づくと、なーんか雰囲気が違う。んー、どうしてこんなに人がいないのかなー?んー、会場の雰囲気がショコラショコラしてないなー。不安がどーっと押し寄せてくる。なーんかおかしいぞ、これ。え、もしかして、ひょっとして、まさか、、、、、、。イヤな予感にかられて、スケジュールの看板を見上げる。

《サロン・デュ・ショコラ 10月30日〜11月5日》クラクラッ。ま、間違えた、、、。

頭をうなだれての一ヶ月を過ごして、今度こそ本当に「サロン・デュ・ショコラ」に出陣!先々週の「バイオ食品サロン」、先週の「農家サロン」に続き、サロン三昧の今日このごろだ。

サロン最終日の水曜日。超人気サロンの人込みを恐れて平日にしたけれど、あいも変わらずものすごい人で、広いチョコレート会場は大混雑。ほんっとにフランス人て、大人も子供もショコラ好きよね。

salonおよそ100のショコラティエ(チョコレート屋さん)が出展して、試食や即売、様々なデモンストラシオンを行う。チョコレートで作った洋服のファッションショーあり、政治家からシェフや研究者による、コンフェランスも数十、用意してある。ショコラを対象に、食べ、飲み、着、語り、研究し、理解し、確認し、発見する、大ショコラ博覧会だ。

人込みに溺れながら、私たちもゆっくりと会場を回る。いいなあ、ショコラって。夢があるよね。うっとりだね。きれいだね。ノエルの季節を控え、いやが応にも、雰囲気は盛り上がる。

今回のお気に入りは2店。モナコからやってきた、その名も「ショコラトゥリ・ドゥ・モナコ」と、パリにある「ル・フロリスト・デュ・ショコラ」。モナコのお店のショコラは、モナコらしい、素晴らしく洗練された上品なショコラ。スタンドの作りといい、贈答品ショコラのデコラシオンといい、エレガントなことこの上ない。

パリのお店は、名前の通り、ショコラやボンボンでブーケを作っている。木の形をしたもの、花束、ノエル用のツリーの形のものもあり、こんなブーケもらったら、嬉しすぎる!って感じの可愛らしさ。うん、今年のノエルのレストラン用プレゼントは、全部この店のショコラにしよっと。やっぱりね、お世話になっているレストランには、暮れの挨拶は欠かせない。っていうか、ノエルの挨拶か。イヴァンでしょ、ダヴィッドさんの所でしょ、エリックの所もでしょ、アランの所も、、、?

たくさん味見して、おみやげもいっぱいゲットして、最後の最後に、一個だけショコラを買う。milkaちっちゃい頃から大好きだったミルカが出した、2000年用の特別ショコラ。ショコラを2000g使ったおっきなおっきな板チョコ。片手で抱えると腕が震えちゃうくらい、重いショコラ。表面に「2000」の文字と牛さんの絵が描いてある。可愛いんだ、これ。おっきなミルカを大事に抱えて会場を後にする。また来年来るからね!

街路樹の葉がサラサラとこぼれ、足元でカサカサ音を立てている。秋の匂いたっぷりのパリを、セーヌを渡りアヴニュー・モンテーニュを過ぎ、シャンゼリゼをお散歩。あ、ロン・ポワンの花壇、ようやく冬ヴァージョンに変えてる。やれやれよかった。夏からのヴァージョン、可愛くなくって、嫌いだったんだ。真っ白なもみの木ヴァージョン、私、とてもとても好き。シャンゼリゼの街路樹には、もう、イルミネーションの準備が出来ているし、雰囲気はすっかりノエルだわね。

特大ミルカは、いよいよ腕にずっしり来る。くうう、重いなあ。でもいいんだだ、おかげで私はシャンゼリゼの人々の視線を一身に集めて人気者だもんね。このショコラは2000年のレヴェイヨン(大晦日)の時、トロカデロでエッフェル塔と花火を見ながら、齧るんだ。

なんちゃって隊の場所部長として、レヴェイヨンの行動予定をしっかり考えなくてはいけない。責任重大。ま、大体決まってるけどね。

午後10時頃からトロカデロでピクニックしながら、2000年の到来をおゆわいし、その後シャンゼリゼではしゃいで「イヴァン」で休憩。3時には、リッツの「バー・ヘミングウェイ」のフェットに参加。ここで朝を迎える。持ち物は、シャンパーニュ、シャンパーニュ用つまみとショコラ。こんなエスキスを描いてもましたが、いかがでしょうかね、なんちゃって隊の皆様?2000年まで、あと59日。


mer.03 nov. 1999



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