週末から今日までの3日間開催されている、“Salon desGrands Vins”、訳せばつまり、「極上ワイン見本市」。少数精鋭という訳ではないけれど、一般のワインサロンより遥かに出展数は少なく、その代わりに、かなりいいドメーヌがやってきたり、コンフェランスが充実している。
何はともあれ、みなこさん探しの旅。ぐるりぐるりと、広くもない会場をゆっくり3周してみるけれど、みなこさん、いない。あれー、おかしいなあ。帰っちゃったのかなあ?まさかそんなねえ。でも、電話もないし、、、。うーん、うーん???と、3度目に入り口の方に戻ると、あ、Mこさんだ。
「ごめんねー。すっかり待たせちゃって、、、」
「なんで?今来たばっかりよ、私?」
「ん?今?あれ?」
「3時半よ、今」
「ん?待ち合わせ、3時じゃなかったっけ?」
「3時半だよ。電話で言ったじゃん、ピュスちゃん自分で。3時、、あ、多分3時半になっちゃうかも、って」
「そうだ!そうだったね!そうだったよ!」
あえて3時半に時間をずらしたこと、すっかり忘れてた。ちぇ、だったら「ル・レジャンス」で紅茶もご馳走になってくるんだったな。
それではいよいよ、本日のメイン・イヴェントを始めましょう。ゆっくりのんびり、すいていそうなカウンターを選んで、お酒のデギュスタスオンを進める。
アルザス、ラングドック、プロヴァンス、サン・テミリオン、ルシオン。この間、ディディエがご馳走してくれた、モーリーの素晴らしい15年ものを作っているドメーヌも出展していた。
ある程度飲んだところで、6時から、最後のコンフェランスに参加。このサロンの特徴は、期間中ずっと行われている各種コンフェランス。超有名なソムリエやワイン学者、レストラン経営者やシェフ、有名ドメーヌの代表、その他もろもろ、およそワインに関係する有名人が次から次へとやって来て、様々なテーマの元、コンフェランスを行う。
去年は確か、ヒュー・ジョンソンさんの公演に行ったよね。今年は、クリュグからアンリ・クリュグも来たし(参加費200フラン!!!)、92年の世界最優秀ソムリエの、フィリップ・フォール−ブラもやって来た。
私たちの参加したコンフェランスは、ローヌのお酒を飲みながら、98年の世界ソムリエコンクールのヴァイス・チャンピオンであるエリック・ボマールのお話を聞く、というもの。エリック・ボマールといえば、期待度100%、がっかり度70%だった(30%は、あの、美しすぎて美味しすぎるデセール分)、ジョルジュ・サンクの「ル・サンク」のシェフ・ソムリエとして迎えられた、とても優秀なソムリエさん。年明けに「ル・サンク」に行った時には、彼、いなかった。
どんな人だろう、と、楽しみにしていった私の目の前でワインを語ったのは、なんだかただの酔っ払いのようなオヤジだった。絶対、始まる前に飲んできたでしょう!?みたいな感じの、赤いお顔。それに加え、楽しそうにというか、暢気にというか、カジュアルにというか、仕事でそれやっちゃNGよ!みたいな喋り方で、ラフに軽くワインを語る。語る、っていうより、飲む間に喋る、って感じだったな。
なんだか、私の抱いていたエリック・ボマールのイメージからは、遥か彼方遠くにいるような人物だ。ソムリエがテーブルにひじついて話すの、初めて見たわ。こんなんでいいのかい?ディディエに言いつけちゃおーっと。ディディエだって、10数年前の、フランス最高若手ソムリエのタイトルを持っている、すばらしいソムリエ。人となりといい、振る舞いといい、とっても尊敬してるんだ、私はディディエを。ディディエ・トマもエリート・ソムリエ、エリック・ボマールもエリート・ソムリエ。いろんなソムリエがいるものです。
コンフェランスで出てきた、3種のワインとテリーヌやフロマージュを頬張って、頭もお腹も、すっかりワインで満たされて、会場を後にする。
lun.20 mars 2000