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グルマン・ピュスのレストランつれづれ


「葡萄栽培家と料理の夕」

今夜は「リッツ」の日。っていっても、「バー・ヘミングウェイ」でもないし、ロマンに会いに行く訳でもない。リッツのお料理学校「リッツ・エスコフィエ」が主催している《葡萄栽培家とのランデヴー》に行くんだ。

ritz毎月一回開催しているこの会、毎回違う地域から、有名な醸造家をピックアップして、そこのお酒を飲むのが目的。さすがは天下のリッツ、超一流の栽培家が、手ずからワインを持って来て、うちのワインはこんなにすごいんだ!と、熱く語る。ワインには料理がなくっちゃね。料理の方は、料理学校の先生が、デモンストレーションを兼ねて、作ってくれる。去年の春に初めて行って、大ファンになったこのソワレ。大人気ソワレなので、なかなか予約が取れなくって、やっと久しぶりに、席が取れた。

ウキウキしながらオテル・リッツの門をくぐり、大好きなロビーでしばし寛ぐ。ここでダラダラするために、今日は「フレンズ」を見ないで家を出てきたんだもんね。「フレンズ」より「リッツのロビー」でしょう、やっぱり。でも、今日、どんな展開になったんだろう?気になる、、、。

今夜のテーマはアルザスワイン。ドメーヌ・ウェインバックという、かの地の超有名な醸造所から、責任者の一人、マダム・カトリーヌ・ファラーがやってきて、ワインの解説。グランクリュのリースリング98年、トケイ・ピノ・グリ97年、それにゲヴルツのヴァンダンジュ・タルディフ(遅摘)97年。どれもこれも、さっすがウェインバック!と、拍手喝采したくなるような、見事なワイン。中でも、トケイの味はちょっとすごかったね。

fromages合わせる料理は、リースリングに「舌平目とオマールエビのムース」、トケイに「鳩のキャベツ添え」、ゲヴルツには、アルザスのマンステール、コンテ、ブルー・ドーヴェルニュの3種のフロマージュ。デセールは「柑橘類のテリーヌ」。

plats初めて白ワインで味わう鳩は、これがなかなか。まあ、ただでさえ癖があってたくましいトケイだから、結構いい組み合わせなのかもしれないけれど、それにしても、ここのトケイは、、、。甘み、強み、バランス、コシよさ、全て素晴らしい、とびっきりのトケイだ。

モエ・テ・シャンドンのロゼシャンパーニュから始まり、今夜は赤を基色にいけられたテーブルの花を愛で、上の「レスパドン」から借りてきたセルヴールのセルヴィスを受けながら、素晴らしいお酒と料理を堪能。来ているお客様達も、普通のレストランには行き飽きたような、ワインも料理も大好きなグルマン達。話が弾むの弾まないのって、もう!

料理のデモとワインの講義、それにプラス、ちゃんとしたテーブルで楽しいディネ。料理のルセットとワインのパンフレットはもちろんもらえるし、とっても素敵なソワレなんだ。今シーズンから一気に値上がりして480フラン。まあ、今までの400フランが安すぎたんだと思う。この値段でもかなり価値あるもの。

terrine大人気のこのソワレ、今度来られるのはいつかなあ。再来月のジャドはもうとっくに埋まってるし、12月のシャンパーニュはサロンだし、行ってみたかったけど、これももう駄目だろうなあ。5月のコンドリューあたりを目指してみましょうか。

「それじゃあ、また、来月か再来月ね」と、お隣の席だった老夫婦とオルヴォアして、外に出る。あー美味しかった。あー楽しかった。やっぱり「リッツ」はいいですね。


jeu.17 fev.2000



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