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「ラック・デ・シニュ(白鳥の湖)」もいよいよラスト。 カデールの怪我に泣き、ザハロヴァに魅了されるピュス。 |
19日(土)
20日(日) 地獄を見た、、、。 出だしはよかったんだよね。早々と当日券の列に並ぼうと出向くバスティーユ。メトロを降りたところで“おや、いい男がいるわ”、と目を凝らすとセバチャン♪これから本番前のレッスンだと。わずかな時間だけれどお気に入りダンサーとの充実したおしゃべり。うん、さいさきはよかったんだ。
例のニコラの怪我により、ジョゼがロットバルトを降りてしまったため、その代役で予定外のロットバルトを踊る羽目になったカデール。やっぱり老体に急なスケジューリングは無理があったのかしら、あえなく怪我してしまったらしい。それもこれも、元はと言えばニコラが一度も踊らずして戦線離脱してしまったからに他ならない。バカニコラ、、、。あなたのせいでカデールまで怪我してしまったよ。どうするの、もしこのまま怪我が長引いて、ザハロヴァの時に踊れなかったら?ジェレミーがパ・ドゥ・トロワの中で見せてくれた息を呑むようなソロも、ヤンヤンが張り切って踊るチャーミングなダンス・エスパニョールも、なんの慰めにもならない。ジョゼとアニエス?ほんと、これこそどうでもいい、、、。
24日(木) セバスチャンによると、「22日は、今までで一番いい出来のラックだった。ジョゼ/アニエスともに最高だったし、ヤンのロットバルトも抜群。舞台の雰囲気が最高に盛り上がったよ。ああいう舞台って、踊っててすっげー楽しい!」とのこと。なのに、その日を見にいけなかった私ってなんだかお間抜けだ。気を取り直して、スヴェトラーナ・ザハロヴァを鑑賞しに行こう。昨年末の「ラ・バヤデール」で初めて体験したザハロヴァはものすごかった。パリの子達とは比べ物にならないテクニックの高さに驚いてしまったっけ。私にロシアバレエを初めて見せてくれた舞姫の、今夜は白鳥を楽しみにバスティーユに出向く。 結果から言えば、やっぱりザハロヴァは凄い。ニキアの時ほどの感動はないにしても、そのテクニックはなんと言っても圧巻だ。ただ、オデット/オディールの役作りというかニュアンスの出し方に、マリインツキー独自のやり方があるらしく、どうもパリオペラ座にはしっくりとなじまない。テクニックを見る部分は最高に感動するけれど、全体の流れとしてはどうしても浮いてしまう。ニキアの時にはそんなに感じなかったのは、なぜだろう?
ため息つきながら、その他の子達に慰めを求める。ジェレミーのパ・ドゥ・トロワはいよいよ輝きを増し、眼前で炸裂するパワーに心が踊る。ヤンヤンのなんちゃってでかわいいダンス・エスパニョールも美人のナタリーを控えてそれはそれは美しいカップリング。アレッシオ抜きなのが痛いが、マチューやセバスチャンらコールの子達の相変わらずの華やかさは、カデールへの想いとカールへの絶望を忘れさせてくれる。そしてなによりザハロヴァの完璧なテクニック。いいんだいいんだ、今日は、彼女を見るために来たんだもの。それ以上の期待はしないんだ、、、。手のひらにのの字書きながらウジウジしつつも、それなりに感動的な夜を堪能。美輪おばちゃんのところに行ってザハロヴァの素晴らしさを振り返りながらエスパーニャな夜を過ごすのでした。 あさってもう一度このキャスティングを見て、私のラックはそれでおしまい。バンジャマンのジークフリートにはかなり心揺れるけれどお相手がモランとロモリだし、どうせチケットももう取れないだろうしね。最後はやっぱりザハロヴァの素晴らしさを残像に、「ラック・デ・シニュ」のフィナーレを飾ろう。トータル10回。まだまだ足りないとは言え、まあよく見たよね。チャイコフスキーもヌレエフも大好きだ! |