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「オペラ座昇進コンクール」
緊張と感動の舞台、そしてその結果は!?

オスタのエトワール任命のショックから立ち直れないまま、今朝は早起き。いまだ夜が明けぬ中、オペラ・ガルニエへと、胸をワクワクさせながら向かう。

今日は、年に一度開催される、コール・ド・バレエの昇進コンクールの日。オペラ座ファンになって3年が過ぎ、毎年スキャンダルな結果を巻き起こすこの“コンクール”を、ようやく見るチャンスを得る。

興奮して早く着いちゃう。チケットを受け取ってとりあえず、カフェでクレームをすする。と、ちょっと離れたテーブルで、真剣に話し込みながらガジガジクロワッサンをほおばっているのは、いとしい人の大親友とちんくしゃ新エトワールの旦那様じゃないですか。そっか、二人とも、今年の審査員なんだ。しっかり審査してくださいね、不公平と偏見のないように、、、。

7時半にオペラ座の扉が開き、いつもとは全く違った、妙に緊張と熱気にあふれた雰囲気の中、8時、チリリンというベルの音と共に、コンクールの幕が空く。

カドリーユ男の子、コリフェ男の子、スジェ男の子が午前中。同じ順番で、午後は女の子。参加者は17人、8人、11人と、22人、8人、10人。今年は、枠が多くて、それぞれ、5人、4人、2人と、3人、3人、2人。大盤振る舞いだ。8時に始まり7時半までかかる、長丁場のコンクール、果たしてどんなドラマが繰り広げられるのだろう?手に汗握りながら、まずはコンクールの幕を切って落とす、セバスチャンの課題ヴァリアシオンをしっかり見つめる。

カドリーユ男の子:

ヌレエフの「サンドリヨン」から課題ヴァリアシオン。難しいよね、これ、このクラスの男の子たちには。みんな必死にやってるけど、完璧にはこなせない。それでもやっぱり、ダントツでマチュー、それにセバスチャンも悪くない。あとはキムもまあまあかね。オドリックは、、、。ま、君にはまだ来年があるよ、うん。

自由ヴァリアシオン。これはもう、セバスチャンが踊ったノイマイヤーの「シルヴィア」、2幕アムールのヴァリアシオンが素晴らしい!もちろん若すぎるしあの難しいテクニックをきっちり踊るのは無理だけれど、その表現力、ノイマイヤーのエスプリ、雰囲気などなど、すごくいい。ニコラとカデール、そしてノイマイヤーを一生懸命研究したんだなあ、というのがありあり分かる。いいぞー、セバスチャン、5つも枠があるし、間違いないね。

マチューのクラシック「ジゼル」も、素敵だー。ラスト、ペタンとお尻が落ちちゃったところまで、なんだかとってもキュート。確実なテクニック、生まれながらのエレガンス、1年目としては信じがたいリリックな表現力。サラブレット、って言うのはこういう人のことだ。舞台外では、まだまだお子ちゃま色が強いマチューだけれど、舞台ではもう、その素質の偉大さをたっぷり匂わせている。5年後、彼がどうなっているか、本当に楽しみ。

あとはねえ、、。キムくんの「ラ・バヤデール」、フロリアンの「カルメン」がまあまあ?かわいそうなオドリックは、自由ヴァリアシオン、選択ミスだよ。なんともお間抜けな「グラン・パ・クラシック」を見せてくれる。あーあーあー。バスティーユで上演中の「シルヴィア」で、すーばらしい踊りを見せてくれているのに、なんでまあこんなにも違っちゃうの?もったいないなあ。

コリフェ男の子:

二分の一の確率でスジェに上がれるこのクラス、はっきり言って該当者なしでしょう、ほとんど。

ブルノー・ブシェはいいよ、もちろん。いまだにコリフェなのがびっくりしちゃうくらいだもん。課題の「キショット」のバジルもよいし、「グラン・パ・クラシック」もなかなか。このクラス、他にはろくでもない候補者がそろっているだけに、これはもう、圧倒的にブルノーだね。

強いて次を挙げれば、やっぱり、ジャン−クリストフ・ゲリでしょうか。プルミエには絶対に上がらないだろうけれど、こういう渋い演技をするダンサーは、スジェクラスに必要だ。自由ヴァリアシオンでエクの「アパルトマン」を選ぶあたり、自分の才能を知っている。あー、懐かしいなあ「アパルトマン」。早く2月にならないかな。見たいなったら見たいな〜。

ニコラ・ポール君も、まあまあか。4人も枠があるんだから、やっぱり入るでしょう。2月の「ル・パルク」もよかったしね。自由で踊ったロットバルトもなかなか。いいんでない。あとは、ヤだけど、ステファン・ブイヨンなんだろうなあ。自由の、「ノートルダム〜」のフロロには勘弁して欲しかったけど、、、、。

スジェ男の子:

いまいちパットしないコリフェを経て、いよいよ、プルミエを狙う争い。2人枠の中で、もう、エルヴェ・モローは当確でしょう?残りの一つを誰が取るか。私としては、アレッシオをもちろん押したいところだけれど、この一年を振り返り、怪我明けの今ひとつの状況を考え、さらにジェレミーがプルミエにいる事実を考慮すると、やっぱりアレッシオにはきついかなあ、、、。ま、来年くらいにね。だったらやっぱりエマニュエルにいい加減なって欲しいところだけど、エマニュエルイジメの激しいオペラ座にあって、それもかなわぬ夢?少なくとも、ヤンヤンを上げないでね〜。彼は、一生コールにいて、可愛らしい姿を日々、私の目の前に現して欲しい♪

さ、アレッシオからの始まりだ!ううぅぅぅぅぅわぁぁ〜〜〜〜〜!!!!すーごい!アレッシオの課題ダンス。ランダー振り付けの「エチュード−マズルカ」という、知らない踊りなのだけれど、アレッシオの実力が炸裂。スゴイッ、スゴイッ!あっという間に終わってしまい、あとには感動だけが残る。アレッシオがトップなので、彼が他と比べてどんなによかったのかを認識するのには、そのあとのダンサーたちを見なくてはいけなかったけど、見れば見るほど、アレッシオのすごさを再認識。背筋がぞくぞくする。なに、アレッシオ?「パキータ」では力抜いてた?溜め込んでおいたパワーが一気に飛び散った、という感のある、見事なヴァリアシオンに、会場がため息をつく。

自由は、ベジャールの「アレポ」より第二ヴァリアシオン。いかにもベジャールらしい踊りを、アレッシオが選ぶのは、なんとなく分かる気がする。同じ踊りを、カドリーユのデュリが踊ったけれど、全く似て非なるものだった。いいぞー、アレッシオ。これ、ひょっとしたらひょっとする。今シーズン全体はイマイチだったものの、コンクール当日の出来の比重が重いシステムなので、期待持てるぞ。

エルヴェが珍しくも失敗。課題でちょっとしたミス。プライドを傷つけられ、いたって不本意そうな顔して、袖に下がる。それでもやっぱりエレガントで確実な技術。自由には、「アザー・ダンシーズ」の第二ヴァリアシオン。エルヴェは、自分のことよく知ってる。完璧な踊りです、はい。問題ないでしょう、君は当確。

ヤンヤンは、大丈夫だ。このフロロなら、絶対にプルミエに上がれない(笑)。よかったよかった。最近、うまくなってたから心配しちゃったよ。

ステファンがよいねー。課題もソツなく、自由の「アザー・ダンシーズ」の第一ヴァリアシヨンの出来も最高。きっちりコケティッシュできっちり華やかできっちりチャーミング。

ああ、ジャン−ギーが踊った、間抜けた「アザー・ダンシーズ」を思い出してしまう。ヤダヤダ。そして、エマニュエル。課題の出来もそれなりにいいのだけれど、その自由の素晴らしさに、会場は本当にざわめいた。ロビンスの「フォー・シーズンズ」より秋のヴァリアシヨン。息が止まるような跳躍、ここは天国かと見まごうような、天使顔負けのかわいすぎる表情。チャーミング極まりない、幻想のようなヴァリアシオンを披露する。文字通り、ゾクゾクしちゃう。な、な、なんで?なんで、これでスジェなの???

「毎年このくらいすごい踊り、してるんだよ。それでもダメなんだ。今年も期待しない方がいいよ」と友達。そうだよね、期待はしない。もう、あきらめてる。それでも、ひょっとしたら?と思わず期待せずにはいられないような踊りだったけれど、冷静に考えると、厳しい。だってだって、エルヴェはミスを考慮してもやっぱり当確でしょう?それに、ステファンだってすごくよかったし、アレッシオだって最高だった。エマニュエルの代わりに、この二人のどちらかが選ばれても、誰も文句は言えないだろう。さてさて、結果はいかに。

お昼休みを挟んで、女の子の部。この頃になると、踊り終わったダンサーたちもその辺にうじゃうじゃしているし、楽しい楽しい。イマイチの出来だったのに、相変わらず「僕、どーでもいーのー」みたいにとぼけた顔してるオドリック。「最後、失敗しちゃったしさ」といいつつも、昇進できるか、ではなくて、すでに何位で昇進?という方が気になるように見えるお子ちゃまマチュー。心配しなくていいよ。トップ通過は間違いない。

セバスチャンはといえば、
「まだわかんないよ。絶対、なんてないからね。でもね、みんながよかった!って言ってくれてすごく嬉しい。マニュエルはビズーしてくれるし、今まで声をかけてきたことがなかったロラン・イレールまで、よかったよ!って言いに来てくれるしさ!」とニコニコ。と言っている横から、巨匠ピエール・ルコットが
「君の踊り、すごくよかったよ!」と肩をたたいていく。嬉しそうに「メルシー」を返すセバスチャン。

アレッシオも発見。
「素敵だったー!アンポゼ(課題)は完璧だったし、リーヴル(自由)も雰囲気抜群で!」
「メルシー。でも、どうかなあ、、、。ま、結果を待ってみるよ」。今年一年がイマイチだっただけに、本人もあまり期待はおっきくないんだろうな。

その他、いつ見ても美しすぎるヤンヤン、いとしいカデール、新エトワール様、デナール、オレリー、レティティア、今となっては旧エトワールカップルになってしまったジョゼとアニエスをはじめ、その他大勢のダンサーたちが集って、目の保養は尽きない。もちろん、カデールには話しかけられずはずもなく、ちょっと離れたところで固まったまま、「夕べのシルヴィア、最高でした、、、」と胸の中でつぶやくのでした。

さて、女の子。

まずはカドリーユだけれど、ここ、枠2つに対して22人も候補がいて、見るほうも大変。ま、トップ通過は、前からドロテだと決まっていたものの、彼女の課題(ラックのパ・ドゥ・トロワより第二ヴァリアシオン)、そして自由で踊った「フォー・シーズンズ」の秋のヴァリアシオンがなんと素晴らしい!どうしてまあ、こんなに愛らしく、こんなにリリックに、こんなに雰囲気たっぷりに踊れるんだろう?これはもう、コリフェに上がるためのものでなくて、スジェに上がるための踊り。はっきり言ってこのクラス、ドロテと同じレベルで踊れる子は他にいない。

ダフネ・ジェスタン、それに課題でちょっと失敗したとはいえ、「イン・ザ・ミドル〜」でインパクトのある踊りを披露してくれるエヴ・グリンシュテインがいい。エヴ、「ラック〜」もよかったし、今は「シルヴィア」でもなかなか。お気に入りなんだ。上がるといいけど、ドロテを抜かした21分の1はつらいなあ。

コリフェ:

どの子も今ひとつパッとしないけど、妥当な線で考えれば、モダンが得意なキャロリン・ヴァンスちゃん、安定感抜群のミリアム・カミオンカ、それに課題で失敗しちゃったけどミリアム・ウルド−ブラムかねえ。オーロールが出場してたら、間違いなく彼女だっただろうし、ジュリエットも出場できなくて残念だ。

スジェ:

どうしてミテキちゃん、出ないんだろう。それだけが悔やまれる。2月の「ル・パルク」での復帰以降、春の「サクレ・デュ・プランタン」、夏の「コンクール」、そして秋の「ラック〜」と今の「パキータ」、全て、飛び切りチャーミングでいい踊りを披露してくれているのに。今年は、枠も2つもあるし、オスタがあの年でエトワールになれるくらいだから、ミテキちゃんのプルミエールだってない話じゃなかったはずだ。これは!という候補がいないだけに、コンクールをあきらめちゃって残念だ、、、。

で、スジェちゃんたち。うーん、みんな一長一短かなあ。イザベルは、課題(「ラック〜」2幕の黒鳥)でミスってしまい、これは結構致命傷かも。自由の「カルメン」は、長い手足を思い切り見せて完璧だけれど。ミス、よくしちゃうんだよね、イザベル。プルミエールにはやっぱりくるしい?

課題で言えば、ファニー、それとミュルエル・ジュスペルギーがイチオシ。ファニーは、自由でベジャールの「サクレ・デュ・プランタン」を雰囲気たっぷりに踊ったけれど、こちらもエマニュエルと並ぶオペラ座ディレクションからのきらわれっこ。無理だろうなあ、昇進は。ミュリエルは、いいじゃない。自由の「マノン」(2幕、部屋でのヴァリアシオン)もドラマティックな雰囲気がよく出てるし。でもちょっとインパクトにかけるかなあ。経験不足もあるだろうし。

ステファニーの課題は上出来。自由で「クラヴィゴ」のマリーのヴァリアシオンを選んだのはどうしてだか分からないけど。あれ、ちっちゃい子が踊らないと、なんだかいたく間抜けでぬぼーっとして見えるよ。嫌いだけれど、メラニーも上手だ、といわなくちゃいけないだろうなあ。テクニック的には確かにあんまり問題ないもんね。でも、あの男顔と、いつも同じ雰囲気しか出せない感情の幅の狭さ、音楽性のなさがほんっとにイヤ。彼女のキュピドンなんて絶望したもん。かわいくないダンサーは嫌いだ、、、。

ローレンス・ラフォンも好きなタイプだけど、プルミエールになるには、押しが弱い?うーん、難しい。イザベルがミスった以上、ファニーとステファニー、としたいところだけれど、ファニーはきっと外されるしね。ステファニーだけで他は該当なし、とするのがいいんじゃない?

17時半。トータル9時間以上もかけて行われたコンクールがようやく終わる。「飽きなかった?」なんてセバスチャンは言うけれど、飽きるわけがない。確かに、カドリーユの女の子の部分は、ちょっと間延びしたけれど、こんな面白いイヴェント、見たことないわ。

それぞれがそれぞれの批評と希望、予想を語りながら、じわじわと人が、裏のアーティスト入り口へと集ってくる。噂が次々と飛び交い、緊張と興奮が高まる中、アレッシオが血相を変えて中へ飛び込んでいく。「嘘だろ?信じられないよ!」と、間をおかずに入り口に結果が張り出される。

2002年12月30日オペラ座コール・ドゥ・バエレのコンクール結果

プルミエール ダンスーズ:

ステファニー・ロンベルグ
メラニー・ユレル

プルミエ ダンスー:

アレッシオ・カルボン
エルヴェ・モロー

スジェ:

ミリアム・カミオンカ
キャロリン・ヴァンス
ミリアム・ウルド−ブラム

ブルノー・ブシェ
ステファン・ブイヨン
ジャン−クリストフ・ゲリ
ニコラ・ポール

カドリーユ:

ドロテ・ジルベール
エヴ・グリンシュテイン
セヴリン・ウェステルマン

マチュー・ガニオ
アレクシス・ルノー
ヨング−ゴール・キム
シモン・ヴァラストロ
フロリアン・マニュネ

最高の喜びと深い絶望が交差した結果かな、私にとっては。アレッシオのトップ通過は、ほんっとうに嬉しい。心のそこから。涙が出るくらいに。大好きな大好きなアレッシオ。神様カデールを抜かせば、ダンサーとしては一番愛しているアレッシオ。「ラック〜」の怪我が響いていただけに、まさか今年プルミエに上がれるとは、本人だって思っていなかっただろう。ましてやプルミエには、アレッシオと同じタイプのジェレミーがいるのだし。でもね、あの課題と自由を目の当たりにしたら、アレッシオのトップ通過は、誰もが納得するはずだ。しかも、エルヴェを抑えてトップ!!!ヘヘンだ、2年前の屈辱を晴らしちゃったもんね。

2年前のコンクールでは、エルヴェがトップで、アレッシオは2位でスジェになった。あの時、「なに?エルヴェ?アレッシオを差し置いて、なんてなまいきな!」と思っていたけれど、その後のエルヴェの活躍ぶりをみると、「ま、あれも仕方なかったのかな。同じ時期にスジェになっているのに、エルヴェはたくさんいい役もらっててもアレッシオはあんまり躍らせてもらってないしなあ、、、」とちょっとがっかりしてた。

エルヴェのミスもあったから、とはいえ、トップ通過はトップ通過。ヘヘヘヘヘン!どうだ、アレッシオの実力は!最愛のスジェがいなくなり、最愛のプルミエ・ダンスーの誕生だ。今後のアレッシオの活躍が、今からたまらなく楽しみ。

エルヴェの昇進はいたって妥当。ステファニーとメラニーは仕方ないのだろう。この先、メラニーをたくさん見なくちゃいけなくなるのかと思うと、オスタの場合同様、心からげんなりしてしまうけれど、、、。

新スジェたちは、妥当でしょうね。誰も飛びぬけてはいないけど、誰も最悪ではない。ま、これからがんばってください。

新カドリーユ。ドロテとエヴ、特にエヴに関しては嬉しい限り。セヴリンも妥当でしょう。ドロテ、よかったね。去年は、ミリアムに先を越され、ワンワン泣いちゃったもんね。

男の子たちは、マチューのトップも当然だと思うし、フロリアンやキム君が入るのもいいと思う。でもさあ、どうしてここにセバスチャンがいないわけ?6位までにもは入れなかった、セバスチャン。信じられない、、、、。だいたい、どうしてアレクシスが2位に入ってたり、シモンが4位に入ってるの?課題、彼らそんなによかった?自由にいたっては、これはもうひいき目抜きにセバスチャンのほうがよかったはずだ。

ただ、あの難しすぎるヴァリアシオンに挑んだセバスチャン、雰囲気と支配力はあったものの、テクニックに問題を付けられたのだろうか?メラニーやステファニーが昇進した事実を見ると、そう思ってしまう。とにかく技術。雰囲気や観客へのアピール力は二の次。冒険はするな。確実に、つまらなく、高い技術で。そんな、オペラ座からのメッセージが伝わってくる気がする。

かわいそうに、セバスチャン。どんなにショックを受けているか、、、。本人も周りも、かなり期待していたはずなのに。

そんなこんなな今年のコンクール。正直な話、期待はしていなかったアレッシオのトップでのプルミエ昇進を心から喜び、マチューとドロテの、こちらもトップでのコリフェ昇進に当然の満足感を得て、セバスチャンへの不当な扱いにかなり落ち込んでしまった、悲喜入り混じった結果となったのでした。

バスティーユで夜毎、最高なノイマイヤーワールドを見せてくれている「シルヴィア」。セバスチャンが踊ったヴァリアシオンは、ニコラが初日を飾り、今はカデールが、頭の芯までしびれそうな最高の踊りを披露してくれているけれど、今夜から、ちょっと見方が変わってしまうだろうな。見るたびに、セバスチャンを思い出しては、感動しながらも胸を突かれてしまう気がする。そして、その踊りを真横で見ることになるセバスチャンはなにを考えるんだろう?あんまり落ち込まないでね。クラスなんて関係ないよ。人にどれくらい感動を与えられるか、が大切だ。そういう意味では、飛び切りだよ、セバスチャン!

paquita

lun.30 dec.2002(02年12月)
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