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グルマン・ピュスのレストラン紀行


マリアージュ フレール (Mariage Freres)

salle毎日毎日、必ずと言っていいほど雨が降るここ数日のパリ。おまけに寒いし。
こんなお天気じゃ、お散歩だってままならないけど、つかの間の晴れ間を敏感に見極め、シャンゼリゼにお散歩。

雨ニモ負ケズ寒サニモ負ケズ、シャンゼリゼは相変わらず人だらけ。パリはちょうどパック(復活祭)のヴァカンス。いつもよりも更に、パリ以外からの人々で、世界に美声を響かせるこのアヴェニューは賑わっている。通り雨に濡れたマロニエの葉っぱは、ちょっとかなしげにうな垂れているけれど、街行く人々はみなしあわせそうな笑顔。

凱旋門から少し離れたところに、パリで3件目の「マリアージュ・フレール」がある。
観光地から離れた所にある3件目のこのお店は、マレやデ・プレのお店よりもまだまだ人にも知られておらず、とても居心地よくて大好きなサロン・ドゥ・テ。週末のブランチを楽しむ。

salleコロニアル調の内装を凝らした店内は、それでも他の2軒に比べると、モダンな雰囲気も漂う。架けてあるランプ、ランプの電球、お茶の陳列棚、エキゾチックな花など、全て好感が持てるが、他の2軒を大きく引き離しているのは、セルヴィスと椅子。

ここのセルヴール達は本当にみな、サンパで丁寧な応対で歓迎してくれる。他の2店では味わえない、セルヴールの優しさだ。これにプラスして、素晴らしい座りごこちの椅子。

イングランドから取り寄せている椅子は、ただの木製。でもこの椅子、お尻の部分といい、背もたれの部分といい、幅といい、まさにパルフェ(完璧)!こんなに座り後こちのいい椅子は、なかなかないよ。

table二度と立ち上がりたくない、って思っちゃうような素晴らしい椅子、優雅で控えめで優しいセルヴィス、寒いパリを忘れさせてくれるようなコロニアルな内装、それに美味しいお茶とスコーンにケーキとサラダにジュース2種。

極上のブランチを楽しむひとときは、優しく楽しく流れてゆき、たっぷり3時間を超える時間を、この場所で過ごすことになったのでした。


dim.18 avril 1999



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