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グルマン・ピュスのレストラン紀行


マリアージュ フレール (Mariage Freres)

あったかな陽気にちょっとほっとする日曜日。よかった、やっぱりまだ秋だったんだ。こんなにあったかなんだったら、テ・グラッセ(アイスティー)でもいいなあ、なんてて思いながら、「マリアージュ・フレール」に向かう。

嬉しいな。すごく久しぶりだ、ここに来るの。最後に来たのは、確か、6月。フェット・ドウ・ラ・ミュージックの日だったかな。うわあ、じゃあもう、3ヶ月以上来てなかったんだあ。嬉しいな、嬉しいな。何を食べようかなあ。

salle2時半前、ウキウキと「マリアージュ・フレール」のドアを開ける。え、なにこれ?なんでこんなに人がいるの?普段はあんまり使っていない、地上階のテーブルに、人が鈴なり。ひゃあ、混んでるんだあ。下はどんなことになってるのかしら?トントントン、と、階段を降りて地下に行くと、そこはもう、人、人、人。うわあ、こんなに人が入っている「マリアージュ・フレール」、初めてだあ。

いつもよりもテーブルも少し増えてるし、そのたくさんのテーブルは満席。6人くらいのグループも2、3組いて、ざわめいている。ふあぁ、すごいや。これじゃまるで、マレやオデオンのマリアージュの込み方だ。あーあ、とうとうここの店も、知名度、上がっちゃったんだなあ。人がいなくて静かで落ち着いていて、とっても穴場なマリアージュだったのに。

呆然と立ちすくんでいるところに、マネージャーが声をかけてくれる。名前を告げると、「どうぞこちらへ」。優しいマネージャーに従って、席につく。ストン。あ、やっぱりいいね、この椅子は。ほんとにいい、座り心地。素敵なランプも健在。混んでいてもなお居心地いいマリアージュ。

foie今日のブランチのお料理は、今まで試したことのない「フォアグラのサラダ」にしてみる。ジュースはいつも通りにパンプルムース(グレープフルーツ)。お茶は、あれ、忘れちゃった、名前、、、。ディンブラでもウバでもないセイロンのどっか。超お気に入りのディンブラのケニルワースから浮気して、『シャンパーニュのような、、、』と説明のついた、お茶にしてみる。カトラリーが運ばれ、ジュース類がやって来て、それではいただきます!

ジュースねえ、昔みたいな、長いグラスに入っているといいのに。あっちの方が素敵だ。たくさん入ってたし。それにさ、今日のパンプルムース、いつものと味が違うの。これ、絞ったのじゃないよね。美味しいけどさ、色が嫌いよ、このピンク。絞ったときの、ちょっとレモン色がかったピンクが好きなの。マリアージュフレール・カクテルと銘打った発泡性ワインは美味しいわ。

「素敵なデギュスタシオンをね!」と、爽やかな笑顔なお兄さんが入れてくれた、透明で明るいお茶も美味しい。柔らかくて甘みがあり、後味がすっきり。この、すっきりさ加減が、シャンパーニュ的なのかな。

ポワレしたフォアグラとリンゴ、それにたっぷり野菜のサラダ。甘いバルサミコ酢はいいんだけど、ちょっとかかり過ぎ。最後は、葉っぱがべしょべしょになっちゃう。

スコーンとマフィン、これはいつもながらにそつなく美味しいね。今日の、紅茶のジュレ、いつものと違うのが出て来て、とてもいいわ、これ。オレンジの香りがちょっとしてすごく美味しい。ガトーはポワール(洋なし)のクランブル。「これを少しと、、、後、こっちのも少し」って頼んだら、「一種類だけです」だって。いつもはなんでも好きなだけ切ってくれたのにな。ちょっとマレ化してるぞ。今度来るときには、他の人に頼んでみよっと。クローブの香りが強めのザクザククランブルは、焼き加減も味も満点。クランブルとかトライフルみたいな、英国のお菓子、だーいすき。

3時を過ぎた頃には一度、お客様も引き上げ、4時過ぎにまた、混みはじめてる。テーブルもちょっとだけ増やしてるし、従業員も増えてる。前にいた人たち、誰もいない。全とっかえしちゃったみたいね。

お茶とお菓子はとっても美味しい。お料理だって悪くないし、本当に、ここのブランチ、めちゃくちゃおすすめ。パリでは今、素敵なカフェやサロン・ドゥ・テ、それにパン屋さんやレストランに到るまで、日曜日のブランチを提供して、ちょっとしたブームになっているけれど、「マリアージュ・フレール」のブランチはその中でも、なかなか優秀ブランチではないかしら。

defilee縁から茶色に色を変えはじめているプラタナスを見上げながら、凱旋門まで歩いて、メトロに乗る。今日は、2000年春夏プレタポルテのパリコレの最終日。コシノジュンコさんのデフィレを観に行く。ひゃあぁマネキンが歩いてるー、って感じのモデルさん達を見ては、思わず口が開いちゃう。

素敵なブランチとデフィレで過ごす、楽しい日曜日の午後。


dim.10 oct. 1999



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