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グルマン・ピュスのレストラン紀行


ゼブラ・スクエア (Zebra Square)

午後のデパート散策ですっかり疲れ果てて6時過ぎ、家に戻る。ピュスと遊んであげて、シャワー浴びて、ちょっとお昼寝して、ああ、もう8時だ。急いで用意しなくちゃ。

「行かないで!行かないで!さっき帰ってきたばっかりなのに、なんで行っちゃうの?ヤだよ、僕」って猫語で言ったかどうかは分からないけれど、ベッドから廊下に追い出されたピュスはふてくされて、靴のベルトを留めようとしている側から、足の上にゴロリンと寝そべって、反抗体制。重いピュスを引きずりずらして、どうにか靴を履き終え、階段を降り始める。悲しげな顔を階段の手すりから出すピュス。ごめんね、なるべく早く帰ってくるからね、と、頭を一撫でして、急いで階段を降りてバス停に向かう。

来ない!混んでる!遅い!の3重苦を背負ったバスがようやくセーヌ近くに着いたのは9時過ぎ。まきこちゃんをピックアップして、河を渡って「ゼブラ・スクエア」に到着。

terasse名前の通りシマウマをコンセプトにしたこのレストランに来るのは久しぶりだ。パリらしくないモダンな内装の室内の居心地はいいけれど、寒くないことだし、お外のテラスに席を取ろうか。9時半にしてまだまだ太陽が沈まない明るいテラスでタルタル(牛の生肉のタタキ)をクロズ・エルミタージュで食べながら夏の長い夜を過ごす。

お料理の味に関しては特に言うことはないかな。まずくはないけれど、決して美味しくもないよね。うーん、昔は少なくとも美味しい、と感じる味を出していたけどなあ。タルタル以外のものはどうなんだろう。

お料理には話しは特に及ばず、遠藤、三島から、バルザック、スタンダールへと、日仏文学談義に花を咲かせる。

toiletteそうは言っても、レストラン自体は相変わらず素敵だ。従業員のお姉さん達の制服は変わっていたけれど、黒にちっちゃなシマウマが着いたTシャツは可愛いし、バーのセッティングもやっぱりいい。併設の高級ホテルもようやく完成し、フロントを通って行くおトイレがまた非常にいい感じ。

ヴァカンスを直前にした平日にしては、それなりにお客様も入っていて、バーにこそウェイティングはいないものの、中は満席、外は5テーブルほど埋まってる。

barパリの中心地からは外れ、メトロの駅からも遠いので、客層はNapyの方達にほぼ限定される。そんな訳で、テンションは高すぎず、落ち着いた雰囲気も良く、インテリは文句ないし、とてもいい空間なのだが、今夜はお料理が今一つねえ。お酒を飲みに来るだけの方がいいのかなあ。

夜中過ぎ、バスを待ちながらミラボー橋から視線を漂わせると、暖かなオレンジ色に浮かび上がるエッフェル塔。そして同じオレンジ色に柔らかく光る満月がパリの夜を飾っていた。


mer.30 juin 1999



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