homeホーム

グルマン・ピュスのレストラン紀行


「ル・カメレオン」(Le Cameleon)

木曜日といえば「カメレオン」。「カメレオン」といえばアッシ・パルマンティエ。今日、3月11日は木曜日。「カメレオン」でアッシを食べる日。

のはずなのに〜!!!

この間、帰り際に入り口のドアの取っ手を壊した。びくびくしながら取っ手に手をかけ、そっとドアを押して中に入る。よかった、きれいに直っていて。イヴとビズーしながら、いつものように互いの香りのほめあいっこ。
「う〜ん、いつもながらにいい香り!」
「メルシ、きみだって!悪くないよ、その香水」ユーゴ・ボスだったかな、彼の香りは確か。悪くない。

席についてカルトを開く。
「ここ、料理選ぶの、ラクチンなんだ。プラはアッシに決まってるからアントレだけ選べばいいし」なんていいながら、カルトを開いて息が止まる。な、な、ない〜!アッシがないっ!!!うろたえた目でイヴを探して呼びつける。
「ア、アッシは?」
「今日はないよ」
「なんでっ!?木曜日なのに」
「そんな日もあるさ。でもほら、ブランダードがあるよ、今日は。こっちも悪くないよ」そんなあ、、、。まあ確かに、ブランダードも好きよ。干しダラを戻したものとジャガイモのピュレをあわせてグラタンにした、まあ、アッシ・パルマンティエの魚ヴァージョンとでも言いましょうか。離乳食系大好きだし、ここのも一度味見はしてみたかった。でもでも、アッシ〜。

来る前、デュカスの新しい本の発表会&展覧会があって、素敵においしいロゼ・シャンパーニュと「be」で売っているチップスを山ほど平らげながらも、頭には常に「ダメダメ、食べすぎ&飲みすぎては。これからアッシを食べるんだから!」と言いきかせながら自重していただけに、アッシに会えなかった落胆度はかなりおっきい。でもまあ、仕方ない。うん、そんな日もあるよ。おかげでブランダードの味見が出来るってもんだ。気を取り直して、この店のアッシ以外の料理と向かい合おう。

アントレの「鴨のテリーヌ」アントレは、「鴨のテリーヌ、緑胡椒風味」。すごぶるオーソドックスなテリーヌ、全然悪くない料理なんだ。初めてここに連れてきてもらったとき、食べたっけね。あっさり品のよいテリーヌは、いかにもフランスのお惣菜、という雰囲気たっぷりで、食べ飽きなくてよろしい。

焼きソーセージ&ピュレプラは、「ブランダード」、「オーヴェルニュの燻製ソーセージ&ピュレ」、「モルトー・ソーセージ&レンズマメ」を分けっこ。期待のブランダードは、さすがの出来。アッシの欠席をかなり慰めてくれる。トロットロでアッツアツ。ニンニクの香りが絶妙に効いて、なかなかどうして絶品ブランダード。今度はこれを丸ごと1人で食べよう!アッシがないときの私の定番、燻製ソーセージも美味。味がギューッと詰まった焼きソーセージにトロリまろやかなピュレがまたよくあうんだよね素晴らしい。あ、ピュレが足りない。もっとちょうだい!モルトーソーセージとレンズマメモルトー・ソーセージとレンズマメもなかなか。レンズマメ、大好き♪これだけでもいいや。ソーセージの方は、思っていたよりも滑らかなテクスチャー&味で、個人的には、ガツンと焼きっぱなしにしたワイルドなオーヴェルニュ・ソーセージの方が好みかも。

とまあ、楽しみにしていたアッシこそ食べられなかったものの、ブルゴーニュのサンパな赤をガブガブやりながら、なんやかんやとおいしい料理をたらふくお腹に詰め込み、双子が入ったようなお腹を抱えながら、今宵もまたタクシーに乗り込む羽目になるのでした。全くもって、「カメレオン」はいい店だ。ただし、アッシを目的にいく場合は、木曜日であっても、電話で確認してから行った方がいいですね。

jeu.11 mars 2004



back to listレストランリストに戻る
back to list6区の地図に戻る
back to list予算別リストに戻る


homeA la フランス ホーム
Copyright (C) 1999-2002 Yukino Kano All Rights Reserved.