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グルマン・ピュスのレストラン紀行


マン・レイ(Man Lay)

「ブッダ・バー」「バーフライ」に続いてこの冬に、レストラン・デコの第一人者ミゲル・カンチオ・マルタンがオープンさせた「マン・レイ」。

グレーヴ(スト)の余波にも負けずにシャンゼリゼに辿り着き、見落としてしまいそうに控えめな門をくぐる。

atomo月曜日の8時前。さすがに店内はがらがら。「ブッダ・バー」の作りとほぼ同じデコラシオン。地下に広いレストランスペース。端には大きな彫像が鎮座し、小さな池まで作ってある。吹き抜けのレストランを取り囲むようにして作られた地上階部分のバー。このレストランに来るイケている人々を観察するには、このバーの方が好都合だ。

jazz今夜の楽しみは、月曜日から木曜日の夜の早い時間にだけやっている、ジャズの生演奏。キーボードにボーカル、二人だけの演奏だけれど、閑散とした月曜日の「マン・レイ」で、パラパラと拍手を送りながら耳を傾けるジャズもなかなか悪くない。ちょっと梅の香りが鼻につく、Piper−Heidsiechのロゼ・シャンパーニュをなめながら、俳優、女優のようなお客様が次々と、優雅に階段を降りてテーブルにつくのを眺める。

ジャズも聴き飽きお酒もなくなった頃、ようやく友人がやってくる。下に席を移してお食事。

フランス料理からスシや中華も食べられる、いわゆる無国籍料理ではあるけれど、「ブッダバー」に比べるととっても美味しい料理だ。はっきり言って、全く料理には期待していなかっただけに嬉しいな。

ganbasラドゥセットさんが作った、極上のピュイイ・フュメを飲みながら、「エビのカレー風味」やスシをつつく。

内装、さすがはミゲル。客層、まあまあイケてる。セルヴィス、みんなサンパ。お料理、この手のレストランにしてはおりこう。雰囲気、悪くない。

とびっきりの場所ではないかもしれないけれど、それなりに楽しいよね、ここ。バーとしての利用価値の方が高いかな。ジャズを聴きながらゆっくりアペリティフを楽しんで、ディネはどこかに場所を変えて。こんな楽しみに使いたい場所だね。


lun.7 juin 1999



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