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グルマン・ピュスのレストラン紀行


タイユヴァン(Taillevent)

「タイユヴァン」の元シェフパティシエがやっているレストランにちょっと前に行ったからヴリナじーちゃんが恋しくなった、というわけではないのだけれど、今日のお昼ごはんはラムネ通りで。

2時前。遅い時間に到着した店は、既に満員御礼。デセールを食べ始めているテーブルもチラホラ。相変わらず、客層、すばらしい。日本人も多いね、今日。私たち入れて4テーブル。日本人はやっぱり年齢層が若い。30代でしょう、みんな。20代カップルもいるかな。他のテーブルの平均年齢は、絶対50を超えてる。じーちゃんと同世代とおぼしき人も多い。

じーちゃんのコレクションの絵画に見とれつつ、シャンパーニュとグシェールに舌鼓を打ちながら、料理を選ぶ。70ユーロのランチは、アントレ、プラ、デセールが3つから選べて、本日のフロマージュがつく。結果から先に言うと、やっぱりランチのムニュはしょせん70ユーロかな(笑)。ア・ラ・カルトの方が圧倒的にソリヴェレス&ルコント2人のアランの実力を満喫できる。倍額出しても価値があると思うな。もちろん、ランチもよかった。とっても。ただ、彼らの頂点がどこにあるかを知ってしまっているだけに、それと比較すると感動はないな、と感じるのはたしか。お酒飲んで100ユーロちょいと言うのはえらいと思う。

カリフラワーと甲殻類のポタージュがアントレ。これはいたって美味。品と奥行きがある味わいにしんみりする。パリ屈指のレストランの実力を感じる。

エプートルは古代麦の一種。プリプリ感がおいしいアントレは、エプートル麦のリゾットのエビ添え。エプートルのリゾットは、「レ・ゼリゼ」時代にソリヴェレスの名前を有名にしたもの。いろいろなヴァージョンがある中、今日はハーブの香りも爽やかなあっさり系。プリリとしたエビちゃんがゴロゴロ乗ってる。リゾットにしてはちょっと軽やか過ぎるかな、という気がしないでもないけど、さすがに美味。白アスパラガス。ブリストルでやってくれる、オリーヴオイル&ハーブのソースのほうが好きだけれど・・・味見させてもらった、白アスパラガスはしびれる。今年最初の白アスパラがこんなにおいしくて嬉しい。

タラの身をほぐしたのを、赤ピーマンとほうれん草の上にプラは、タラのトマト&ほうれん草&赤ピーマン添え。ケイパーで酸味のアクセントをつけた、南風のお料理。まあまあかな。もちろんおいしいけど、しびれないんだよね、、、。

オッソ・イラティーは、バスク地方の羊のチーズオッソ・イラティにお約束の黒サクランボのコンフィチュールを添えておいしくいただき、デセールの時間。ゴーフルに焼きリンゴキャラメル味とヴァニラアイスクリームを添えた1品を迷わず選ぶ。アイスクリーム、最高。ゴーフルとヴァニラアイス、キャラメルリンゴアランてほんとにアイスクリームやソルベ系、お上手。焼きリンゴはうーん、、、。もっともっとおいしく出来るはず、アランなら。ゴーフルも。見る目がどうしても厳しくなっちゃうなあ。

白トリュフの香りがするオリーヴオイルソルベ。すーばらしい!味見してみて!と出してくれた、白トリュフのオリーヴオイルソルベは、絶品。体中の全ての感覚が覚醒する。やっぱりトリュフ、とりわけ白は媚薬だねぇ、、、と、恍惚状態でスプーンを口に運ぶ。このソルベ、どんなデセールに合わせるんだろう?

タイユヴァンのコニャック完璧においしいプチフール(ショコラがスゴイ!)をもちろん全て平らげ、じーちゃんがごちそうしてくれたコニャックを楽しみ、幸せな午後がダラダラと続く。早朝から昼過ぎまでの、怖ろしいくらいに忙しくて疲れた午前中とはえらい違いだ。

おいしい食事と友達や従業員との楽しい会話、和やかな店の雰囲気が、午前中にたまった疲れをゆるゆると落としてくれるのを感じる。レストランは癒しの空間だなあ、とこういうときにとても思う。

ven.18 mars 2005



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