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仏蘭西自動車旅行秘伝書壱ノ巻



ドライブしてきました。だれでもやってますよね。でも、それがフランスでとなると、しかも現地に住んでいるのではなく旅行としてなら・・・。ところが意外と簡単に出来るんです、まあちょっとのぞいて見て下さい。

現在このページに書かれているデータは2004年3月末現在のものと比較の上、修正されたものです。


題して「フランス自動車旅行秘伝書」


Destination 1.準備編

how to
フランスドライブ


Q&A

カルチャーショック

il de fr
イル・ド・フランス


loir
ロアール川


bertagne
ブルターニュ


opera
ノルマンディからパリ

国際免許やレンタカーの予約などは「地球の歩き方」などのガイドブックをみればかんたんです。ただ、フランスの地域性を考えると、どんな車種を選ぶかは大問題でそのドライブを楽しくするか悲惨なものにするかを決定してしまうといっても過言では有りません。

では地域性とはどんなものかというと、くわしくは後でも述べますが、

a.油代が高い
b.狭いスペースでの路上駐車が不可欠
c.きわめて高い走行速度
d.オートマはほとんどそろえていない

など。という訳で、私はゴルフクラスのマニュアル、ディーゼルを指定しました。事実この車種が一番需要が多いので、最も多くの台数をそろえているようです。
ベンツのSクラスなどだと(そんなやつはいないか)a.と b.で泣きを見ますし、ポロクラスだとc.でイライラすること受け合いです。

どうしてもオートマでないとと言う方は、たしかに市内だと楽かも知れませんが、車種の選択が限られてきます。意外と車が出払っている日も多いので必ず予約は入れるべきです。

実際に受け渡された車はルノー(Renault)のMegane Scenic。ショートボディなのに室内は広く、トランクスペースも充分で御機嫌な車でした。




一口メモ:
現在ヨーロッパの世論は炭酸ガスの削減でもちきり。その為に、レンタカー会社も企業イメージとして、在庫車はきれいな排ガスよりも炭酸ガスの排出量の少なさを重視する傾向にあり、ディーゼルのマニュアル車が主流になっています。ただでさえヨーロッパでは生産量の少ないオートマチック車、運良く予約できたとしても、ヨーロッパではマイナーなメーカーの物が多く(例えば日米韓国車)サーヴィス網が十分でなく、故障した時に面倒ですよ。

ところで、車は有っても遠い見知らぬ異国の地、やはりくわしいドライブマップは必要でしょう。ガイドブックもあるにこした事がありませんしレストランガイドもほしいですね。ところがこれが日本の書店ではまず手に入りません。そんな時ははインターネットの利用です。おとなりのイギリスなら、道路地図や、フランスでもローカルな地方の英語版ガイド、くわしい英語版レストランガイドなどがそろっています。

In Association with Amazon.co.uk 私はイギリスのウェブ書店"Amazon UK"(1998年4月27日発表によるとこの度"AMAZON"は"Book pages"と合併、イギリスに進出したそうです)(注文方法)でAA(JAFの様な団体)のロードアトラス1998年版を購入しました。発注後3日で到着という早業でした。これには道路番号や給油所、サービスエリア、様々な見所などから、主要都市の詳細図、一方通行情報まで入った使いやすいもので大変重宝しました。

ISBNナンバーは0−7495−1721−2です。
ただし、送料が5ポンド(約1100円)かかりますので、一緒に他の本も買った方が一冊当たりの送料が安く付いてお得です。

一口メモ:
さて、目的地や旅程は決まっても、いざ途中の見所や施設などいわゆる線や面の旅をするにはガイドブックでは不十分ですね。そんな時の強い味方、iTiという旅行サイトがあります。
http://www.iti.fr
フランスのサイトですが英語初め5カ国後で読めますのでルート作りからホテルの手配、さらにヴァーチャルツアーにとご活用ください。(フランス在住児島さんからの情報です)

日本では圧倒的な普及率を誇るカーナビ、道路不案内なフランスでこそ使いたいですよね。でも一体普及率はどうなんでしょう。使い物になるのでしょうか?

結論から申しましょう。使えます!ただし、地図はいらないかというとそんなことはありません、必ず必要です。しかし、数こそ少ないもののもしカーナビ付きレンタカーが手配出来るなら利用価値はあります。もっとくわしい情報をお望みならフランス カーナビ事情をご覧ください。


2.借出し編

airportシャルルドゴール空港はレンタカー用の駐車スペースを持っています。ターミナルロビーに出、案内板に従って階段を1階に降りると、正面に駐車場が見え、廊下がターミナルから突き出す格好で各レンタカー会社のカウンターがずらりと並んでいます。チェックアウトは英語でOK(日本語不可)、キーを受け取ればその場で荷物を車に積み込み出発できます。とても楽です。 (もっとも車の空港使用料をしっかり取られますが)

ここでさっさとAUTOROUTEに乗ってパリへなどとあわててはいけません。空港の地図でもわかるようにとてつもなく広くて複雑な空港はたぶん我々が車を借りるであろうターミナル2F以外にも、ターミナル1Fなど各ターミナルにレンタカーカウンターが有りますのでしっかり周囲の様子とターミナル番号を頭に入れておきましょう。きっと返却のときに役に立ちます。(ハハ、実は私は間違えて1Fに返却し、後でレンタカー会社の人に別の出発ターミナルまで送ってもらいました。いやあ、あわてたのなんの)

一口メモ:
東京にお住まいのm_mitさんはワイン好き。ここ数年毎年ブルゴーニュ方面にワインを楽しみにレンタカーでお行きですが、その方法をお伺いしました。

レンタカーの予約は、フランスの "Key Service" というネットワークの代理店を東京の旅行代理店がしておりまして、航空券と一緒に、頼んでいます。(現地では、AVIS や EUROPCAR などのオフィスで借りることになります)
パリに早朝着のエールフランス便で乗り換えて、フランス国内の地方都市へ行き、そこで、レンタカーを借ります。観光をしながらパリへ戻ってレンタカーを返す訳ですが、パリの中心部を通らなくてもすむ様な場所にホテルを取ってます。

3.道路事情編

フランスの道路は大まかに高速自動車道(A)、国道(N)、地方道(D)に別れます。それぞれに番号が付いていて、例えばパリからリヨン方面へ行くのはA6といった具合です。

Aは都市近郊では無料。郊外は有料になっています。
徴収方法は2種類。日本のように切符を受け取りい出口で支払いという方式と、所々に料金徴収ゲートがあり(Peageの表示が直前に出てきます)その都度料金を払うものとがあります。定額区間の場合料金は手前に表示されているので前以て用意しましょう。ゲートの位置は地図に載っています。金額は区間距離によって変わりますが比較的安めです。自動徴収機と係員のいるブースがあり、札での支払いや、おつりの必要な場合は係員のいるブースに行きましょう。

一口メモ:

料金所やサーヴィスエリアの支払いには他国からの旅行者のために小額でもカードが使用できる様になっています。便利で手軽なのでおぼえておいた方が良いでしょう。
なお、FMの107.7MHzでは「オートルートの交通情報」をやっています。外国人の為に英語のアナウンスもありますので活用されてはいかがでしょうか。(フランス在住の児島さんからの情報です)

空港が思ったよりもはるかに大きく、脱出するのに結構手間取リました。おまけに、そのまま高速に出ればよかったものを、一般道を近回りしてやろうなどと色気を出したのが間違いの元、きっちり道に迷ってしまいました。
夜の郊外は照明も人通りも少なく、かたことで道を聞いてもなかなか分りあえず、かなりあせりました。道路標識(道路bニ行き先)が、交差点内に小さく有るだけですので見落としやすいですね。なれない内は特に、高速を走った方が標識もはっきりしていて安全だと痛感しました。(真木さんからの情報です)

Nは一般道と言っても広くて管理がゆきとどいています。地図上で二本線になっている道路は自動車専用道路で高速道路そのものです。

Dもやはり広くて快適で、よほどの田舎道以外車はかなりなスピードで飛ばしまくっています。

一口メモ:
車の流れの速いフランスではたとえAを120キロ以上で走っていても、長時間追い越し車線をその程度で流しているとおまわりさんに怒られます。その為かどうか、トラックがだらだら追い越し車線をふさいで走っているなどという事がありません。

ガソリンスタンドはたくさんありますが人口密度の低いフランスのこと、田舎ではえんえん農場という地域も有りますので補給は御早めに。値段はヨーロッパ一というほど高くて、場所によって変わりますがレギュラーガソリンがセルフサービスのスタンドの安い値段で約1.1ユーロ、軽油で0.9ユーロ弱です。これがパリ中心部に入るとレギュラーガソリンで1.15ユーロ以上に跳ね上がります。(2004年4月現在)

スタンドの支払いはカードが便利です。セルフの場合は自分で給油し、オフィスで申告するか、場合によっては集金の係が徴収に来ます。

一口メモ:
給油に注意! 9月のボルドーは、葡萄の収穫時期にあたりとてもすばらしい景色、車も少ないですし、ねずみ取りもありませんし、とても運転しやすいところです。
しかし、この油断が大きな問題を引き起こしてしまいました。 車には、ガソリンで動くものと、軽油で動くものと、二つあるのはご存知だと思いま すが、店のおばさんの言うがままに入れると見事に間違い。GARAGEで2時間修理の為、時間をつぶすことになってしまいました。GARAGEのおにいさんと話しているとこの8月に8人から12人位の日本人が同じトラブルでやってきたそうです。
給油の際は、ガソリンの場合、フランス語で「SUPER」もしくは「SANS PLOMB」、軽油の場合は、「GAZOLE」で見分ければ良いでしょう。それと値段のチェックもお忘れなく!(吉田 和浩さんからの情報です)

最高速度はAで130キロ、Nで110キロ、Dで90キロです。しかし、実際の走行速度ともなると、Aでは150キロ以上出していてもブンブン抜かれてしまいます。Nの自動車専用部分でも130〜140キロは出ています。
一般道の場合も、郊外では110キロ程度で流れています。


4.走行編

いざ走り出すと本当にびっくりします。もちろんフランスは右側通行。なにしろ慣れないこともあってもたもたしているとどんどん抜いて行かれます。ゆっくり走っている車など皆無で、100キロ程で走行車線を走っているとでかいトラックがバックミラー一杯にぐんぐん迫ってきて肝を冷やすことになります。
シャルルドゴール空港はそのまま走り出すと高速上です。つまりほとんどの人は最初に走るのが高速(A1)になります。で、この時はアクセルをぐっと踏み込みさえすれば解決できます。
一般道に入ると更に驚くことになります。これが普通の道かと思うほど飛ばしています。対向車は轟音を残して過ぎ去って行くし、後ろからは止めどなく抜かれます。

広場(プラースちょうどイギリスでのラウンドアバウト)や郊外では信号機はなく、ロータリー(rond pointロン・ポワン)になっていて、車は原則として右から来る車に優先権があり、左回りで目的方向に抜けますので、充分気を付けて回りましょう。

大きなロータリーだと何重にもなってぐるぐる回っていますので、右折をするつもりなのにうっかり中央に寄ると右に出られずぐるぐる回り続けるはめになりますのでご注意を!右折信号を出しながら徐々に外周に寄ってゆきうまく脱出して下さい。

ただし、郊外に有るほとんどのロータリーは中優先になっています。(右優先ではない)この場合入り口に白地に赤の縁取りの逆三角形のマークがあります。中の車(左側)を妨害しないように入ったら目的の方向に出るまでは一応安心です。でも無理矢理入ってくる車や内側から強引に外に出る車もあるので注意して下さい。

ロータリー以外にも、T字路では右優先です。日本の感覚と異なり小道からこちらを見ずに突っ込んできます。右側に道路が見えたら停止線や点線が見えない限り右側が優先です。うっかり運転しているととても危ないので気を付けて下さい。

一旦停止の場合には大きな赤い8角形のプレートにSTOPの標識が有るのですぐわかります。

一口メモ:

有名なパリの凱旋門のロータリーは中優先でなく、右優先なので入る時はいつでも入れます。ちょっと勇気が要ります。中に入ると外から入ってくる車を優先させないといけないので気が抜けません。

実際には外側に信号がありますし、交通整理がされている場合が多いのですが、内側に入らないようにするのがコツです。外から入って来る車をハンドルで避けずに減速・停止でやり過ごしながら目的の所で出ましょう。(フランス在住の児島さんの情報です)

踏切はSIGNAL AUTOMATIQUEの標識が有れば一旦停止は不要です、皆ほとんどスピードを落とさず走り抜けて行きます, 決して急ブレーキは踏まないようにしましょう。

交差点で停止すると道路横に垂直に上から赤黄青と列んだ信号機は最前列では見ることが出来ず、おろおろしているとクラクションの嵐となります。すぐ横を見てみると、そこには小さな副信号機が横向きに付いています。これを見るようにしましょう。

一口メモ:
日本で踏み切りが一旦停止を義務づけられているのは根底に機械は壊れるものという、フェイルセーフの思想から来ると思われますが、一般的なフランス人の考えは少し違うようです。彼らはやはり機械は壊れるものだが、人間はもっとミスをするものであると言います。とっさの時は自分で判断すべきで、何も考えず機械的に停止するのは無責任だそうです。
ところで、クラクションの嵐と書きましたが、実はフランスでクラクションを聴くことはほとんどありません。というのも非常時以外のクラクションは禁じられ、罰則もあるからです。

標識はだいたい日本のものと似ていますが中には何の表示か分からないものもあります。出来るだけFrench Road Signs And Conventionsなどをご覧になって、ヨーロッパの道路標識を勉強しておきましょう。

こんな状態であの混雑したパリ市内を走れるわけがありません。私はパリ郊外のシャンティイにホテルをFAXで予約しておき最初の夜はそこに泊まりました。その後10日間フランスを走り回ってから、最後にパリに入りました。これならまあ安心して走れます。



5.パリ市内編に続く

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